チェンマイ農村で夏休み

タイ北部チェンマイ市内から車で1.5時間、農村暮らしのあれこれ

チェンマイ市内の作業場所、実はコピー機も使えるMAYA内のCAMP

今回はチェンマイ市内の勉強ができるスペースの一つであるMAYA内にあるCAMPを軽く紹介したいと思います。筆者が以前ニマンヘミン周辺に住んでいた際に、勉強ができる場所、コピーができる場所を探していた際に、情報が少なく困ったので書き残しておきます。(※この記事に書かれている内容は、2020年12月時点の情報です)

基本情報

MAYAモール5階にあるコーワーキングスペース。カフェと併設されており、オーダーをすると2時間有効のWi-Fiのパスワードがもらえます。基本的に皆静かに勉強しています。カフェが食べ物を提供しているので、ご飯を食べる音は許容範囲なのでしょうが、袋をガサゴソ、お菓子をぼりぼりという雰囲気ではありません。屋外スペースには長机が4つあるので軽食をしたり、電話をしたり、友達と話したりというのは可能です。

 

客層としてはは大部分はタイの学生と多少のファラン。黙々と作業している人が大半ですが、その他寝ている人、携帯をチャージにし来ている人、暇つぶしをしている人など色々という感じです。

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コロナ渦&閉店前でガラガラなCAMP

Wifiに関して:3階のAISでSIMカードを購入すれば時間無制限

上記の通り、入り口にあるカフェで軽食や飲み物を購入すれば2時間限定のWi-Fiパスワードをもらうことができます。一方で、明らかに2時間以上滞在している人が多く、そのような人たちはおそらくAISのSuper Wi-Fiを使っているのだと思われます。

 

CAMPはタイの通信主要キャリアの一つであるAISが運営しているため、AISのWi-Fiが使えるSIMカードを持っていれば時間無制限でWi-Fiを使い続けることができます。

 

筆者は別のキャリアを使用していたため、ここで作業する時はMAYAの3階にあるAISでSIMカードを買っていました。プランはいくつかあるのですが、「Super wifiを使いたい。その他の機能は要らない。一ヶ月のプランでSIMカードが欲しい。」と言えば、毎回50バーツのSIMカードを準備してくれました。その場でWi-Fi接続時に必要なパスワードも紙に書いてもらえます。

 

AISのスタッフの方曰く、「最初の1ヶ月は50バーツで、その先も使い続けたいならばオンラインで延長することもできるけれど、月100バーツかかるから毎度super wifiだけを使いたいならSIMカードを買い直したほうが安いよ。」とのこと。

 

カフェで何も買わず、50バーツのAISのSIMカードで時間無制限に居座るのはお行儀が悪い気もしますが、CAMPで作業をしている人の半分以上は他から飲食物を持ち込むなり、AISのWi-Fiを使うなりでカフェに一銭も落とさず、場所を利用しているような気がします。絶対何か買わないと入れないという雰囲気では全くないです。

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コピー機:実は印刷もできることが判明

チェンマイで気軽にコピーができる場所探しに困っていた時に、実際にCAMPに足を運んで偶然発見したのですが、CAMPの入り口にDouble Aのコピー機が設置してあります。

 

日本のようにコンビニに行けば印刷ができるというような環境ではなく、チェンマイでちょっとした印刷をするのに情報がなく困っていたのですが、最近はDouble A fast printと言って、オンライン上でファイルをアップすればコピー機がある場所で印刷ができるというサービスがあるようです。チェンマイ市内にもこのコピー機が置いてある場所はいくつかあって、ウェブサイトで場所は確認できると思うのですが、MAYAもその一つです。

 

一つ注意事項があるとすれば、CAMPの営業時間とこのDouble Aのプリンターが使用できる時間が一致していない可能性があることです。以前、夕方6時頃に印刷をしたいのだが、プリンターを使うことはできないかと入り口の例のCAMPカフェの店員の方に聞くと、今日のプリンターの営業時間は終了した、明日の11時にまた来なさい。と言われました。プリンターの電源をさすだけじゃないのか?と何度か印刷できないか尋ねましたが、無理と言われたことがあります。というわけで、プリンターの利用可能時間とCAMPの営業時間が必ずしも一致していない、確実に印刷するなら日中がおすすめと書き残しておきます。

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CAMP内ではないですが、ニマンヘミンのカフェでも設置している場所がありました。

まとめ

今回はMAYAモール内にあるコーワーキングスペースCAMPについて、2020年12月時点の情報を書き記してみました。以前ネット「CAMPは24時間営業で早朝・深夜にも利用できることが魅力だ」というような情報をいくつか見かけたのですが、筆者の知る限り2020年の秋から冬にかけてはコロナのため24時間営業ではなくなり、MAYAの閉店時点でCAMPから利用客は追い出されていました。もし今後深夜などにCAMPを利用しようと考えている方がいらっしゃれば、事前に問い合わせるなりFacebookで確認するなりしたほうが良さそうです。

 

AISの1ヶ月有効のSIMカードを50バーツで購入すれば時間無制限で利用できますし、小腹がすけばモールの地下にあるリンピンスーパー、ミスタードーナッツ山崎パン(SAINT ETOILE)も利用できるので気に入って利用していました。

 

わざわざ遠くから作業をしにMAYAのCAMPに来るならば、Wi-Fiがある近くのカフェで作業をしたほうが良いと思われますが、近くにお住まいの方には快適な勉強場所だと思います。では。

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タイ人の英語のクセについて

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タイ人はどの程度英語を話せるのかについて、タイに来る以前に「タイは植民地になったことがないのもあって、東南アジア周辺国に比べて英語が全然通じない」と聞いたことがありました。

しかし実際にタイに来てみると、日本の英語事情とほとんど大差がないのではと感じます。学校で小さい頃から英語を科目として学ぶものの、使わないので話せない。知っていても恥ずかしいので話さない。大学は卒業してそこそこ大企業で働いている人や仕事で外国人相手に接する人などは話す。都市ではそこそこ通じる。ローカルな市場や屋台では通じない。など日本と似たような英語あるある(?)が広がっています。

以前タイ人に「日本に旅行行ったんだけど、日本人は基本的には英語話さないよね〜」言われたぐらいなのでお互い様なのだろうと思います。今のところの結論はタイも日本と同じぐらい英語が通じる(通じないとも言える)という感じです。 

 タイ語話者らしい英語のクセ

タイ語が初級レベルで停滞している筆者は、基本的に英語で会話をしていて、「タイ人ってタイ語話者らしい英語を話してるよな〜」と思いながら日々の生活を送っています。

すごく当たり前なのですが、タイ語の特徴をだいぶ拾っているなと感じます。タイ語話者の中でも様々な英語レベルがあるのは承知しているのですが、今回の記事ではザ・タイ英語だなと思う人の特徴をいくつかあげていきます。

①発音の癖

挙げればキリがないので、今回は厳選して筆者が定期的にそうくるかーと思う発音を二つだけ紹介します。

  • 語尾の発音すべき子音が落ちがち(例:ticket→てぃけっ)
  • タイ語にCHとSHの区別がないため入り乱れる(例:tv channels→チャかシャか曖昧)
  • 語尾のLがNに変わる(例:google→ぐーぐん、waffle→わっふん)

タイ語の語尾を高頻度でつけてくる

日本語のですますと同じ要領で、タイ語にも丁寧語にするために「カ(女性)・カッp(男性)」を文末につけます。ここに日本語のですねの「ね」と同じで聞こえを柔らかくする「ナ」を足して、タイ語では「〜〜〜〜ナカ、〜〜〜〜ナカッp」という感じでタメ口でない場面では基本文末はこれになります。

このタイ語の丁寧語にする文末をナチュラルに英語に混ぜてくる人の割合が高い高い。

”enjoy your meal なか〜”とか言われます。話す時だけでなくテキストでも、例えば"Good morning kha"や"please let me know na ka"など。アルファベットで書いていても、わざわざそれつけるのねと笑えます。

文末にそれを言わないとムズムズしちゃうのか?と思うほど、ナチュラルに文末はタイ語です。特にですますのルールのない英語であっても、自身の丁寧な気持ちをのせるために言っているのだろうと解釈しています。

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③単語を繰り返す

タイ語には特に繰り返さなくてよいが、繰り返して使うのが普通な日常単語がわりとあります。

  • 例1:子供→でっkでっk
  • 例2:小さい→れっkれっk

 他にも日常的に"マーレーオマーレーオ(あ、来た来た) "”イェンイェン、サバーイサバーイ(涼しい、気持ちいいね〜)”と言葉を繰り返しているタイ人が(少なくとも筆者の周りには)多いです。そして、その「なんとなく単語を繰り返す癖」が英語でも出ているのかなと思う時が多いのです。

例えば、yes, same same(訳:うん、似たようなもの)という感じで。

④文の組み立て方

非ネイティブであれば、構文に母国語の文法構造に影響を受けるものですよね。タイ語の文法は英語と全く同じとは言えないですが、基本構造がSVOと動詞→目的語の順序である点において、少なくとも日本語より英語に近い文法だと思います。

筆者がタイ人の喋る英語に対して定期的にお!?と思うのが、 SVOのあとにthatなりwhichなりwhereなりで修飾する文をつなげていくのが上手いということです。タイ語と同じ構造をとるようなので、それを英語で同じように当てはめているのだと思われますが、割と高頻度で英語文法が乱れがちだが「まあ一応英語が話せる」というような人でも、thatを使いこなしてくるとお!?となります。

おそらく同じ英語を学校で勉強して4年、同じ語彙力のタイ人と日本人を連れてきたら、このthatを使ってSVOを修飾して文章を伸ばしていくのはタイ人の方がうまいのではないかなと思います。

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参考:接続詞?関係代名詞?か用語はわかりませんが、こういう構文です。



 

タイでは常識らしい、曜日と色に関するあれこれ

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タイに来てしばらく経った頃に気がついたことは、曜日と色の関係があるものがいろいろ存在しているみたいということ。今回はそれは知らなんだというタイ文化関連の豆知識を紹介します。

 1:曜日に決まった色がある

一つ目はタイでは曜日に色が決まっていて、子供でも知っているということ。「今日は〜火曜日で〜ピンク!」みたいなフレーズを7日間分唱えられるようです。下の写真のように、カレンダーの曜日がその色になっているものもよく見かけます。そして以前国立海洋公園の島に一週間滞在した際に、そこで働くレンジャーたちが毎日その色のシャツを着て朝礼をしていました。

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水曜日が緑なのはピンとこない

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日付の数字までタイ文字表記

2:タイ人は自分が何曜日に生まれたか知っている

前学期にアメリカ人の生徒と携帯会社の窓口に契約変更のため出向いた際に、本人確認の流れでどういうわけか何曜日に生まれたかを聞かれ、外国人の私たちは知る由もなく結局本人確認に一時間かかったということがありました。

その時に初めて、タイ人は当たり前に何曜日に生まれたかを知っているという事実を知りました。何時に生まれたかを正確に把握している日本人は一定数いそうですが、何曜日生まれかを知ってる人はどれぐらいいるのでしょうか。

3:生まれた曜日の色がラッキーカーラー

この一つ目と二つ目の驚きの事実を合わせると、この三つ目の「何曜日に生まれたかでラッキーカーラーがある」にたどり着きます。なるほどという感じです。実際に火曜日生まれの人がどこまでピンク色をラッキーカラーにしているかわかりませんが、多少の意識はするのでしょうか。

それでも、タイの王室関連の旗の色が黄色なのは国王が月曜日生まれだからだそう。王妃の旗は土曜生まれなので紫と違う色。そう考えると、そこそこ生まれた曜日の色をご贔屓カラーにしているのかもしれません。

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街中に国旗以外に王室関連の写真やら旗がたくさんあります

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寺で見たこの守護仏も曜日別で順に並んでいるそう

タイ農村の葬式がタイらしかった話

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この村には葬儀屋が存在しないため村の誰かが亡くなれば、家族と近所の人が協力して葬儀を執り行います。みな仏教徒であるので、当然のことながら仏式で僧侶が登場します。

自宅でいわゆる通夜が数日あり、最終日に火葬場に移動。告別式のようなものを経た後に火葬されます。村人曰く、タイの仏暦を参考に火葬の日を決めるため、葬儀にかかる日数が前後するそうで(この村では平均3日)、日本で六曜を気にする人がいるというのと似たようなアイディアなのかなと勝手に解釈しました。ほかにも故人の社会的地位や裕福度でも日数は変化しうるそうです。

今回の記事ではタイの葬儀における細かな作法やその意味よりも、葬儀が執り行われる数日間の人々の動き、場の雰囲気に関して感じたことに焦点を当てて紹介していきます。

 

葬儀を通しての雰囲気:タイの村人にとって身近な死と彼らの死生観

筆者の滞在するこの村は高齢者も多く、頻繁に葬儀が行われるのですが(そして村人が葬儀の手伝いに行くのでより身近に感じる)、最も興味深く日本との最大の違いとも思えるのが、葬儀の雰囲気であります。数日間を通してしめやかさが一ミリもないのです。 

彼らの死生観が仏教の輪廻転生に根ざし、今世での死を一つの通過点のように捉えているからなのか、当然悲しみはあるのでしょうが、死の否定からくるような泣き叫びのようなものは遺族含め未だ見たことがありません。 

参列者の筆者としても、村の葬式はその他のイベントと同じようないたって普通な雰囲気なので、葬式と聞いてドキドキ、多少の怖さを覚えてしまうというようなことが起こりづらいという感じです。

  そんな通常時の穏やかでゆるゆるタイな雰囲気が残る場面をいくつか。

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【最終日の自宅での読経】

僧侶も一村人であってよく知る仲なので、時間になるまでは談笑タイム

右端は夏休み期間限定で出家中のちびっ子。太ってるねと言われたり、当然唱えられないお経もあったり、おじちゃんおばちゃんにいじられるが、それも可愛がりの一つ

読経の所要時間1~2時間だが、途中でもぐもぐお菓子を食べることもできる

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【火葬場移動後、ちょっとした最後の儀式】

ここでも基本モードは談笑で僧侶が唱え始めたら静まり手を合わせ、終われば元に戻る

まさに全校集会で校長が話し始めた時に生徒が一斉に静まるのと同じで、参列者の集中度もそんな生徒と同程度

(不適切な例な気もするが、これ以上的確な状況の描写は思い浮かばない)

驚きの文化1:男性親族が故人のために出家をする

実際にこのお葬式では、亡くなったお母さんの息子の一人が三日間だけ仏門に入ることになり、たとえ数日とはいえ髪も眉毛も全部剃って出家式を行っていました。このように村では故人のために親族が出家する場合がほとんどらしく、期間は一日から一週間とまちまちだそうです。

 というのも仏教徒のタイ人の宗教との関わりにおいて、「タンブン(徳を積むこと)」が全てです。来世への貯金/ポイント集めのようなものだからタイ人が熱心にタンブンをするのだと以前聞いたのですが、タイで実際に生活してみた今、筆者はその表現にだいぶ納得しています。そして出家もその善行の一つであり、積んだブン(徳)は行為者だけでなく、その家族や祖先にまで伝播・転送されると考えるため、こうした葬儀を機に出家することは故人のためでもあるそうです。

驚きの文化2:葬儀の手伝いは当番制で回ってくる

この村では上記のように葬儀屋が存在しないが故、村の家を8つのグループに分けて、当番制で葬儀の手伝い係を担当しています。仕事内容は、参列者(計何百人に及ぶ)に提供する食事の準備と片付け、棺を担いで火葬の準備をする(男性のみ)、故人の遺品を燃やす、花火の打ち上げ、写真撮影など。もちろん当番でない時でも親族や親しい知人であれば手伝いに行ったり、自宅から例えば米を一リットル程度持っていき、食事提供の面で遺族を手助けをしたりもします。

 遺族はというと、骨上げ後に火葬台などを次の人のために清掃をするのだそうです。葬儀屋がいないので誰かがやるしかないのですが、これには少々驚きました。

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棺を右の焼却場に移し、最後に火をつける際にドーンと数発花火が上がる。

棺を火葬場まで運んだ土台にもライトや花火の仕掛けが施されており、 同じタイミングでピカピカ光り、クルクル火の棒が回っていた。

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個人の服などの遺品も土台と一緒に燃やす

 驚きの文化3:村の葬儀用のグループ預金

葬儀の費用が気になりある人に尋ねてみると、父の葬儀を村の平均よりも少し大きな規模で執り行った時に全費用で100,000バーツ(約35万円)かかったと教えてくれました。しかしよくよく聞いてみると、村の葬儀のグループ預金に参加しているのでそこから600,000バーツが戻ってき、個人的な香典(相場は数百バーツ)を合わせると、葬儀を終えても少しお金が残ったと。

そのグループ預金の仕組みはと言いますと、まずこの村は1丁目、2丁目のように村1から村7まで存在しているのですが、それぞれのエリア7カ所で預金グループが存在します。もし自宅が村1にある場合は、その他村2〜7のグループには好きなだけ参加することができ、そこで誰かが亡くなるたびにに20-25バーツ預金をすることになります。そして、自分の家族が亡くなり、葬儀を執り行う時にはその貯めたお金が一定額返ってくるという相互扶助の仕組みだそうです。

 

村の歴史を聞くとちょいちょいSaving Groupsなるものが登場するので、これもまたその一種かなと思いこれを機に調べてみました。

  • Saving Groupsは数十人、もしくは少し大きな単位であるコミュニティーベースで人が集まり、グループのメンバーが一緒に貯金をし、必要であれば少額のローンもできるという仕組み。マイクロファイナンス(一般の銀行から貸付を受けられない低所得者向けの小口金融サービスの仕組み)の手法の一つで、途上国の貧困層の自立を助けることを目的として使われたりもするそう。
  • おそらくこの葬儀の預金は、そのSaving Groupの一種であるRotating Credit and Savings Associationではないかと思う(詳細は各自お調べください...)。

驚きの文化4:散骨が主流、お墓が存在しない

この村では散骨が主流です。骨上げで一部の骨を壺に納め、その後一定期間寺に保管して〜など細かな流れはあるそうなのですが、最終的には大きな河川にまかれることになります。骨壷を手元に置いておく人はかなり少数派のようです。

そしてお墓を設けないため、当然日本人が想像する「お墓参り」的な行為も存在しません。4月のタイ旧正月がその「お墓参り」のタイミングの一つなのですが、寺院に出向き、自分の先祖のためにお供えをし、僧侶にお経をあげてもらうという形式で、先祖への挨拶は寺や僧侶を介すことになります。(※ 華僑の墓地があったりするのでお墓事情は別口。)

さいごに

ある村人が「別にもう亡くなったわけだし遺骨を取っておく必要も特にないからね、散骨するよ(意訳)」と言っていたのですが、お墓がないと日本のドラマのよくある辛い時に墓前で死んだ母さんに話しかける男性主人公みたいなことは起こりうらないのかーとどうでもいいことを考えたりもしました。

ここまでその国の葬儀を覗いてあれこれ質問をする機会は海外生活をしていてもめったに訪れない機会だと思うので、非常に貴重な体験になりました。(と小学生の作文のような一文で本記事を締めることとします。)

ブログ主の紹介

タイに滞在中に学んだこと、感じたことを記すこのブログを始めるにあたり、筆者のプロフィールを少々書いておこうと思います。

筆者の経歴

アメリカ中西部オハイオ州の大学に通う、東京育ちの学部生。環境学専攻。2020年秋に留学のためタイへ。北部チェンマイをベースにタイ国内のあちこちを回りながら、Sustainable Development Studiesを勉強するプログラムアメリカの大学生対象)に参加。一学期間限定で留学に来たつもりが、結局アメリカの大学を休学し、もう半年間タイに残ることに。

現在タイで何をしている?

上記の留学プログラムの中で一週間滞在した村に興味をもち、学期が終わったのちに大学は休学し、村に舞い戻ってきました。チェンマイ県メーオン群メタ村というタイ北部の低地の農村にて居候&勉強中。(この農村の詳細については別記事を参考にしてください)

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村の高台から

現段階では農業・食をめぐる社会、経済分野にアカデミックの関心があります。筆者はこれまでアメリカのキャンパスで多少なりともこの分野のセオリーや歴史、課題を学んできましたが、昨年の留学プログラム参加中にいくつかの農村、漁村を訪れた時にふと「思えば自分が普段口にするものの生産過程を全く知らないな」と思いました。都市育ちなので食に関しては流通する食品をお金で買うことが常であったからです。そんなわけで、休学期間をタイで無知な都会っ子が生活の知恵をつける時間にあてることにしました。 

現在は農村で基礎的な農作業と栽培方法を実践ベースで学びつつ、コミュニティーが資源や環境、経済をマネジメントするにあたりどのように組織を作り、運営しているのかについて地域レベルで日々観察しています。Self-Relianceを掲げ、Regenerative Agricultureを先行しているようなタイ国内でも珍しい農村であるので、その根底にある人々の哲学や信念も垣間見えるのも大変興味深いです。

このブログの目的

よく知人にタイの農村で何をしているの?と聞かれるので、タイ生活の様子と都会育ちの無知な筆者の農村での学びを周りの人へ少しばかり共有という意味で文字に起こして発信することにしました。

またサブ目的として、この村の現在の生活スタイルが30年後には確実に変わっていると思ったため、日本語による記述が役に立つかは大いに疑問ではあるものの書き残しておくことにしました。そのため在タイ日本人やノマドに向けた生活情報を発信する予定は特にありません。 

タイ語の実力

最低限の意思疎通、状況説明ができる初級レベル。タイに来てから語学の授業を三ヶ月受け、現在の生活の中でネイティブと練習する機会はごまんとあるはずなのですが、全く使い物になりません。村の三歳児にリスニング・スピーキングともに余裕で負けています。

 村人と会話をしてコミュニティーの理解を深めるためにタイ語が必須なのは自明なのですが、やはり言語学習は本当の意味で必要にかられるか、文化的な興味がないときついかもしれないと感じています。

 期間限定で必要な言語であること、英語が通じる人が数人はいること、そもそも自分がタイ語の周波数との相性が悪いと思っていることなど、心の底からのタイ語学習意欲がないため、未だお粗末なタイ語です。それでもできる限り現地語で返事をするように気をつけると、たいていのおじちゃまおばちゃまは温かく見守ってくれます。

 時代の流れ、タイの経済発展とともにこの農村の生活スタイルや農業がどのように変化したのかにも興味があるので、村のお年寄りたちのおばちゃんが若い頃はね〜という昔話を聞き取れない時が唯一、初級タイ語で止まっていることが悔やまれる瞬間であります。

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以前はただのゲジゲジの曲線に見えていたタイ文字が識別できるようにまではなったので、成長ということにしておきたい。

追記:在学する大学のある米国オハイオ州 基本情報

人生の99%を日本の都市部で過ごしたものの、米大学での経験で自身のものの見方はかなり影響をうけました。タイでの経験、この村で見たものへの解釈に関して、対アメリカ、対オハイオな情報が適宜出てくるかもしれないと思ったので、最後にオハイオの基本情報も少し紹介しておくことにします

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アメリカ中西部。日本からの直行便はなし。意外にも州別人口ランキングは全米7位だだそうだが、筆者の大学からは15分も車を走らせれば、とうもろこし畑が広がり、適度に田舎。

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気候はそこまで東京と大差はないと感じている。四季があり、夏は気温が高すぎず、低すぎず過ごしやすく、冬の寒さが厳しい(真冬のスキー場程度)。ケッペンの気候区分を見る限り、北海道・東北と同じ気候区なようで納得。

アメリカ大統領選挙民主党共和党のどちらに傾くかが勝負のカギだと言われる激戦州(swing state)の一つであるが、2020年の大統領選では共和党が勝った模様。人口統計のデータを見るとWhite 80%、Black or African American 12-3%、その他となっている。